
回線速度を示す用語に「Mbps」という言葉があります。なんとなくイメージはついても、実際どれぐらいの数値が出ていればよいか、わからない方は多いのではないでしょうか。
この記事では、Mbpsをはじめとする回線の基本用語から、用途別にどれぐらいの回線速度が出ていればよいか、また、遅いときの対処法なども紹介します。
目次
Mbps=1秒間あたりの通信データ容量
Mbps(メガビーピーエス)は、メガビットパーセカンドの略です。
これは、1秒間にどれぐらいのデータをやりとりできるかを示す数値で「M」は数値の大きさ、「bps」は回線速度の単位です。Mbps以外に「Gbps(Mbpsの1000倍)」や「kbps(Mbpsの1/1000)」があります。
Mbpsは数値が大きいほど回線速度が速く、快適に利用できることを意味します。逆に低すぎるとデータの受送信に時間がかかり、場合によっては読み込めず停止することもあるので、注意しなければなりません。
インターネット回線の「上り」や「下り」ってなに?

インターネット回線における「上り」「下り」とは、通信の方向を示す言葉です。上りと下りの意味と、用途について解説します。
上り(アップロード)とは
「上り(アップロード)」とは、データの送信を指します。メールやSNSでメッセージを送るときや動画の投稿、YouTubeやInstagramでのライブ配信などが上りです。動画配信やオンラインゲームを行わないなら、上りの速度は遅くても、まず問題ありません。
下り(ダウンロード)とは
「下り(ダウンロード)」とは、データやファイル、メッセージの受信のことを指します。主に、SNSやWebサイトの閲覧、動画のダウンロードやストリーミング配信の視聴です。一般的な使い方の場合、アップロードよりダウンロードを利用することが多いので、下りの速度がより重要となります。
Ping値とは
「Ping値」とは、インターネット回線の応答速度を示す数値で、データのやりとりにかかる時間を示しています。単位はms(1/1000秒)です。
Ping値は、数値が小さいほど、レスポンスが良く快適に使えることを意味します。たとえば、Ping値が30ms(0.03秒)と50ms(0.05秒)の場合、30msの方が応答速度は速くなります。
特に、対戦型のオンラインゲームにおいては、Ping値は低い方が有利になる場合があります。なお、動画の視聴や投稿、メールやSNSでのやりとり、Webサイトなどの閲覧に関しては、Ping値はほぼ気にしなくてよいでしょう。
重要なのは実測値
回線速度には、回線業者の広告などで見かける「最大通信速度」のほかに「平均値」と「実測値」があります。
「最大通信速度」は、あくまで理論上、完璧な条件がそろった場合に出せる速度であり、実際にその速度が出せるわけではありません。最も重要なのは、自分が利用する環境の速度を測った「実測値」です。
ちなみに「みんなのネット回線速度」というサイトでは、ユーザーが自宅などの速度を測定でき、その結果をもとに、事業者ごとの平均速度(平均値)を公表しています。これも目安にはなりますが、実際に自分が利用する環境を計測した結果(実測値)の方が、平均値よりも重要です。
平均値と実測値がかけ離れている場合がある
実測値が重要な理由は、さまざまな人が計測した平均値と、自分が実際に計測した結果(実測値)がかけ離れている場合があるからです。
平均速度がトップクラスに高い回線事業者であっても、異常なまでに低い速度しか出ていないこともあります。原因は自宅のインターネット環境、地域との相性など、さまざまです。
テレワークや動画視聴で必要になる「Mbps」の目安
インターネットを利用する際に必要な回線速度の目安を、用途ごとにまとめました。
使用用途 | 上り速度 | 下り速度 |
---|---|---|
Web会議(ビデオ会議) | 10Mbps | 10Mbps |
チャットやメール、SNS | 1Mbps | 1Mbps |
動画視聴 | 10Mbps | 25Mbps |
オンラインゲーム | 30Mbps | 30~100Mbps |
上記はあくまでも目安であり、実際には使用用途や環境によって変わることがあります。
たとえば、Web会議の場合、カメラで顔を出すなら速い回線速度が必要です。
顔を映す場合、遅い回線速度では画面が固まってしまうこともあるので注意しましょう。逆に顔を映した状態でWeb会議中の画面動作が重いようでしたら、顔出しの状態をオフにすると動作が改善することがあります。
動画視聴の際も、遅い回線速度で高画質の4Kを視聴していると、再生が止まることがあります。
自宅の回線速度(Mbps)を計測する方法
速度測定サイトはいくつかありますが、ここではGoogleが提供している「インターネット速度テスト」を紹介しましょう。使い方は非常に簡単で、Google検索で「インターネット速度テスト」と検索すると、速度測定用のボタンが表示され、ボタンを押すだけで速度測定を行えます。
このツールは「上り速度(アップロード)」「下り速度(ダウンロード)」「Ping値(レイテンシ)」の3つを同時に計測してくれます。また、計測結果に加えて、回線が速いか遅いか、現在の回線速度でどういったことができるかも表示されます。
計測結果は自宅のインターネット環境や場所、時間帯によって変わるので、最低でも複数の部屋で昼と夜の2回計測するのがおすすめです。
回線速度(Mbps)が遅いと感じるときの対処法

最後に、回線速度が遅いときにやるべきことを紹介します。主には以下の4つです。
パソコンやルーターの再起動
パソコンやスマホといったデバイス、ルーターを再起動すると回線速度が改善することがあります。
デバイスやルーターは、長期間稼働させ続けると調子が悪くなります。しばらく電源を切らずに使い続けている場合、一度電源を切って休ませましょう。電源を切ってから5分後くらいに再起動させるだけで作業完了です。
ルーターの設置場所を見直す
ルーターの設置場所を見直して変えてみることで、回線速度が改善されることがあります。
ルーターに近いほど、Wi-Fiの安定性は高いです。逆に遠いと弱くなり、最悪使用中に切断してしまうこともあります。
ルーターは普段インターネットを使う部屋に設置し、棚や大型の家具に隠れないように注意します。高い位置に設置すると、電波が届きやすくなります。
ルーターやLANケーブルを買替える
ルーターやLANケーブルが古いなら買替えましょう。
特に、古いルーターは、経年劣化によって通信が弱くなります。LANケーブルは折れると断線を起こしてしまいます。古くなったルーターや折れてしまったLANケーブルは買替えましょう。NTTグループのOCN オンラインストアでは、各種機器を販売しておりますので、検討してみてはいかがでしょうか。
回線やプロバイダを乗りかえる
回線やプロバイダは、回線事業者ごとで速度が異なります。前述の「みんなのネット回線速度」を利用して、通信速度の速い回線業者を調べ、乗りかえも検討しましょう。
また、ホームルーターやポケットWi-Fiなど、モバイル回線でインターネットを利用している場合は、光回線へ切り替えをおすすめします。光回線は自宅までの回線が、光ファイバーケーブルに保護されており、干渉を受けにくいため、速度が速く安定しています。
一方、ホームルーターやポケットWi-Fiは、電波を利用するので、周囲の環境や天候に影響されやすいです。
快適なインターネット環境を整えるなら、インターネット回線は電話回線ではなく、光回線を選択するのがよいでしょう。
現在、最も通信が速く安定しているのは光回線です。もし、どの光回線サービスを利用しようか迷われているなら「ドコモ光」を検討してみてはいかがでしょうか。
そして、「ドコモ光」に対応するプロバイダとして「OCN インターネット」を選択されると、現金還元やルーター特典などもありますので、おトクです。
気になる方は、特典公式サイトを確認してみてください。
まとめ
Mbpsとは回線速度を示す単位で、数値が大きいほどインターネットを快適に利用できます。
ホームページやSNSの閲覧なら、上りと下りどちらも1Mbps程度で十分です。動画を楽しむなら、下り速度は25Mbpsあれば固まることなく視聴可能です。ただし、オンラインゲームをプレイするときは、上りと下りが最低でも30Mbps以上出ていないと、遅延が発生して不利になってしまう可能性があります。
遅いと感じるなら、ルーターやデバイスの再起動、ルーターの設置場所の変更などの対策をしてみてください。
それでも回線速度が改善されない場合、回線業者の乗りかえを検討するのもおすすめです。
この記事が少しでもお役に立てれば幸いです。